乙鳴アフロ『僕のオンナノコ事情』
乙鳴アフロ『僕のオンナノコ事情』は、28歳童貞キモオタの本垣内貴央が
あの世の受付係の手違いで女子大学生の本垣内高緒の体に入るという
憑依もののTSFマンガです。
男性から女性に性転換してから、異性での生活に苦労しながら
だんだんと女の子であることに喜びを感じるようになって、
最後は女であることを受け入れて幸せになるというのが
TSFのファンに好まれる黄金パターンといえるでしょう。
TSFファンの嗜好からすれば、『君の名は。』や『転校生』のように
ラストは元の性別に戻るのは物足りないということになります。
その意味で、『僕のオンナノコ事情』は、女の子になったことに戸惑いつつも、
イケメンの彼氏に抱かれていい気持ちになるなど段々順応してきて、
もとのからだに戻ろうとしながら、もどれないとわかったら好きな人と
いっしょにいられるのでほっとしてハッピーエンドという、
TSFファンの好みに合うマンガでしょうね。
ティーンズラブ(TL)という女性向きのジャンルで、セックスシーンがあっても
ソフトな表現になっていますが、少女漫画的な心理描写は巧みで、
可愛らしい感じの絵など男性のTSFファンであっても満足できます。
初体験の直前で入れようとした時に、食事で胸がいっぱいでのどが
とおらないのであまり食べられなかったためにおなかが鳴ったので、
彼が「はじめてであまりムリさせたくない」といってやめたので
高緒の体に入った貴央が「そんなに彼女のこと大事にしてくれるんだ。
つき合っている相手がこの人でよかったな」と恋愛感情を持つ話など、
自分も女の子になってこんなステキな彼氏に処女をあげたいと
思ってしまいますよ。
紙の本を入手するのが困難なマイナー作品ですが、
TSF好きならぜひ読んでほしい佳作といえるでしょう。