魚が性転換するメカニズムが解明される
アンジャリ・ラマ(ネパール人モデル)
人間の男性が性別適合手術を受けたとしても、性器など外見が女性の
ようになるだけで、妊娠出産するようなことはできません。
ですが、魚の場合、クマノミがオスからメスになって産卵をするように
なるなど、性転換をして子どもを作ることができる種類があります。
ベラ科の魚、ブルーヘッドは、メスからオスになる種類ですが、
今までは謎だった性転換のメカニズムが解明されました。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw5629997
https://nazology.net/archives/41529
ブルーヘッドは、もっとも体が大きい個体が1匹だけ青い頭のオスで、
残りはすべて全身が黄色のメスというハーレムを形成します。
https://wired.jp/2019/07/22/bluehead-wrasses-socially-controlled-sex-change/
その群れの中のオスがいなくなると、メスの中でもっとも
体の大きい個体がオスになります。
オスが消えて数時間のうちに、いちばん大きなメスはストレスホルモン
「コルチゾール」が脳に分泌されることによって、イソトシンというホルモン
が発現して、性格が攻撃的になり、オスのような求愛行動を見せます。
「コルチゾール」の影響で女性ホルモンのエストロゲンの生成が抑制
されて卵巣が精巣に作り変えられ、男性ホルモンの一種である
ケトテストステロンが増えて精子が形成されます。
そして、8~10日以内に成熟した精子を生産して繁殖できるようになり、
体色も徐々に変化して、20日以内にオスの青い頭になるという話です。
つまり、ブルーヘッドはどの個体でもメスの遺伝子とオスの遺伝子を
両方持っており、最初はメスとして成熟しますが、オスがいなくなると、
メスの機能の遺伝子がオフになってから、オスの遺伝子がオンになる
ことで性転換するというのです。
魚の性転換の研究は、水産養殖業に役立てるのが直接的な目的ですが、
再生医療への応用も期待されているそうです。
それに加えて、人間も含む脊椎動物がどのように性を決定し維持して
いるかを解明するのにもつながるということです。
そうなると、魚が性転換するように、人間も性転換する技術が
開発されてもおかしくありません。
将来、人間の性転換薬が発明されたらどうなるでしょうか。
男性が性転換薬を服用すると、精巣が卵巣に作り変えられ、子宮も
形成され、月に一度生理が来て、赤ちゃんを産むこともできる
完全な女性になれるようになれるかもしれません。
ハゼ科の魚の中には、メスからオスになってから、さらにその後メスに
戻るという双方向の性転換をする種類のものもあります。
「そのうち、人間も若いうちは女性ですごし、年をとったら男性で生きるなど、
ファッションの様に自由に性別を転換して暮らす時代が来るのかもしれない。」
なんてありますが、そうなってほしいですね。